縁の下のネコ2013/04/14 20:00

 その黒猫キャビアに事件がおきました。この数日、盆栽台にいないので家に帰ったのかと思っていたら、飼い主のおばさんが探しに来ました。すると、我が家の縁の下で発見されました。
 事情を聞いたら、こういうことでした。キャビアは今週、カラスに餌を取られ、後ろ足をつつかれ怪我を負い、そのまま家出したのだそうです。だから今、うちの縁の下でじっと痛みに耐えてうづくまっているのでした。
 飼い主のおばさんは、縁の下にキャビア用の座布団と、水のみカップと餌を入れて帰りました。そして時々、餌を足しに来るようになったので、「ここで飼わないで連れて帰って下さい」とお願いしましたが、キャビアは帰るのがいやな様子で、おばさんが捕まえようとしても縁の下の奥に逃げてしまいます。
 「主人だったら捕まえることができるんだけれど」とおばさんが言うので、「ではご主人に来ていただきましょうよ」と言ったら、「主人は今入院しているの」とおばさんは悲しそうに言いました。そう言われたらもう厳しいことも言えず、「あら、それは大変。どちらに入院されているのですか?」という深刻な話をしました。
 というわけで、たった今もキャビアは我が家の縁の下に横になって、たぶん傷をなめています。

ネコも盆栽2013/04/05 11:30

 庭に盆栽台があります。手入れを怠ってフサフサになってしまった松が一つ、隣にもう一つ松、そして一つ置いてまた隣に松。というように配置してあるのですが、最近その「一つ置いて」の隙間に隣の黒猫キャビアが座るようになりました。
 松、松、ネコ、松というように盆栽台に並んでいるさまに、最初は「ずうずうしいネコだ!」と腹が立ちましたが、毎日見ているうちに面白くなって写真を撮ることにしました。
 キャビアはいつも後ろ向きに座っているので、近づくのは簡単、と思ったのですが、さすがにネコは野獣です。後ろにもセンサーがついているのでカメラを持って近づくとすぐに逃げてしまいます。それを何度も繰り返しているうちに、ネコの方が少し利口になって、こちらを向いて座るようになりました。これでカメラを持って接近している私の姿をしっかり目で見るようになりました。
 近くでシャッターを切るために、懐柔策として「キャビア~」と甘い声で呼びかけてみることにしました。すると、「にゃああ」と答えるではないですか。たぶん日頃の習慣なのでしょう。飼い主に「キャビア~」と呼ばれるたびに「にゃああ」と答えているのでしょう。
 敵である私にも反射的に、「にやああ」と答えながらも、あわてて盆栽台から降りて逃げて行きます。でも私が立ち去るとすぐにまた盆栽台に登ります。
 よほど日当たり具合が気に入っているのか、おかげで我が家の盆栽鑑賞には黒猫が入っています。「黒猫が横切ると不吉」とか言っている場合ではありません。

ジャングル庭2012/05/06 17:20

 雨がたくさん降ったので、例年より早く庭がジャングルになりました。しかし私は、草むしり大嫌い。誰か庭の手入れが好きだという人はいないものか、またそういう人とはどうやって知り合えばいいのかと思案しました。
 すると、家の前に張り紙をすることを思いつきました。
 「草むしり1時間2000円 1時間からでも気軽にどうぞ。学生さん歓迎」というのを出しておいたら、誰か手伝ってくれるかもしれません。お小遣い稼ぎの子供でもいいし。
 しかし、「それでは泥棒もやって来る」とか、「草をむしりながら泥棒の下見する人もいる」とか近所の人に威されて、恐くなってやめました。
 このまま放っておこうかとも思うのですが、そうすると真夏にムシ天国になってしまい、それも恐怖です。仕方がない、少し自分でやるかと考えているうちにゴールデンウイークは終わりました。

鎌倉のスローライフ2008/06/23 13:23

 隣の家にアンズの木があって、その木がうちの敷地まで枝をはって葉っぱや実を落としています。特に気にしたことはなかったのですが、お隣の方が「枝が迷惑かけているので」と言ってその木の実から作った手作りアンズジャムを持って来られました。シャレたお詫びがあるものだと感心。砂糖で煮てもなお酸っぱくて健康的なジャムでした。
 先日、近所の方に傘を貸したら、傘のお礼にと庭で取れたミカンで作ったママレードを頂戴しました。うちの庭にも食べられないぐらい酸っぱいミカンがなっているので、本当ならうちも作ればいいのかもしれません。うちのミカンはリスでさえあまりの酸っぱさに一かじりで捨てているので、全くのゴミになっています。
 今月初めに庭に近所の子供たちを呼んで梅モギ大会をしました。取れた梅は少しずつではありますが4軒に分けてあげました。梅干し、梅酒、梅ジャム、今ごろそれぞれの家のお母さんたちがその梅で何かを製作中だと思われます。
 昔イタリアに行った時、知り合いのマンマの家で夕食をご馳走になり、食後のデザートに「うちの庭で取れた実から作った」と言って数種類のジャムが出てきました。アメリカのファーストフードに対して、イタリアがスローライフを提唱していますが、日本の田舎暮らしもまだこんなスローライフが残存してるようです。私は虫が苦手なので、梅もミカンももげないし、ジャムを煮ることもできないウソ者ですが。

恐怖の草むしり2008/04/20 00:30

 うなされることはあっても、寝付けないということがない私にも例外が二つあります。それは、草むしりと山歩きです。
 好きで山歩きすることはありませんが、今までに何度かは仕方なく登山したことがあります。その晩の私は、体がぐったり疲れているのに、目をつぶると草と虫で一杯の山道の景色がよみがえります。
 草をむしった晩も同じく、目をつぶると草がぼうぼうに生えているシーンが浮かびます。その風景がすごくいやで眠れなくなります。よほど草むしりが嫌いのようです。
 そういう時は、本を読んだりテレビを見たりしながら自然に寝るようにします。
 3日前に草むしりをした晩も、布団の中で目をつぶると頭の中に草や虫がたくさん出て来て眠れなくなりました。仕方がないので、借りている映画、アル・ゴア氏の「不都合な真実」を見ながら寝ました。内容が真面目な環境問題だったのですぐに寝てしまいました。
 この2日間は雨のために、草むしりが中断していましたが、明日は晴れるのでまた、草むしりの続きをしなければなりません。下手すると3日前にむしった草が復帰していてやりなおしになるかもしれません。
 暖かい気候は大好きですが、虫と草だけは大の苦手の私です。