誰の猫なのか: ミーハー日誌

　４月に話題にしていた隣の黒猫キャビアは今ではすっかりうちに居座っています。昼は縁側か芝生で、夜は縁の下に入っています。声を掛けると逃げて行くのですが、ちょっと目を離すとすぐに戻ってきて寝転がっています。
　キャビアは元来、隣に住むお琴のお師匠さんの猫です。お師匠さんいわく、「毎日エサだけ食べに帰って来るけれど、オタクが好きみたいね」とのこと。
　「一日うちにいますよ」、と私はお師匠さんに会うたびに口をとがらせています。「今度、虫除けの首輪をつけたのよ」と言われてびっくり。我が家の芝生があまりに草ボウボウだから、心配になったようです。キャビアの首に輝く新しい首輪を見ながら、でも何かヘンだぞと思いました。
　そもそも、猫の所有権は何で決まるのでしょう。犬は保健所に登録したり、注射を打ったり、首輪をつけたり、散歩させたりしなければなりません。でも、猫にはそれがないので曖昧です。私は猫を飼いたいと思ったことはないのに、結局猫はうちにいます。
　お師匠さんの部屋には、他に大きな洋猫が２匹いるので、キャビアのような野生的な猫には居場所がないのでしょう。それでもお師匠さんが名前をつけて、首輪をつけて、エサをやっているのですが、でも一日じゅう我が家にいるならば、果たして誰の猫なのかわかりません。
　先日、３日ほど旅行で家を留守にする時に、念のため、お隣に声を掛けました。「ちょっと留守にするので何かあったらよろしくお願いします。でも、オタクの猫はうちにいますけれどね」と、ちょっと恩を売りながらお願いをしておきました。すると、師匠は、留守のあいだしっかり我が家を見回ってくれていたようです。