ネコの手を借りる2014/04/03 11:08

 最近、我が家の壁の中に小動物が住んでいるようで、夜になるとゴトゴトゴトとものすごい速さで走り回ります。恐ろしいことです。最初はお化けかと思いました。
 これはネコ?と思い、壁をたたいて「にゃあ」と言ってみましたが、声が返ってきません。隣の黒猫キャビアはうちの縁の下に入りますが、「にゃあ」と声を出します。他の5匹の常連のネコたちは大きいし動きもにぶいし夜には自分の家に帰ってしまうので、これは違うようです。
 それではネズミ?それともタヌキ?市役所に相談に行こうかと考えましたが、こんな何となくな話を一体市役所のどの課の人がちゃんと聞いて対処してくれるのでしょうか。「夜中に何かが壁の中を走るんです」なんて、まるで私が変な人みたいです。
 昨日の朝、庭でものすごい光景を見ました。黒猫キャビアが小さな茶色いピクピク動く物を前手で押さえて食べているではないですか。おお、この残酷なシーン。もしかして、今キャビアが手で押さえている小動物がうちの壁を走っていたヤツなのか。双眼鏡を持って来て、キャビアの手の中でまだ動いている茶色い毛のついた生き物を観察してみたのですが、よくわかりません。キャビアは興奮して食いつきながらも「にゃあにゃあ」声をもらしています。
 そうだ、隣の奥さんに言いつけておかないと。何食わぬ顔で帰って来たキャビアを奥さんが抱きしめたら、生臭かったり血みどろだったらと、考えただけでぞっとします。
 奥さんが玄関口に見当たらなかったので、電話をしました。「キャビアがネズミだかモグラだかわからないけれど、今それを捕獲して食べているんですけれど。何かその部位をくわえて帰ったりすると驚かれると思いまして」と伝えたら、奥さんは「大丈夫、あの子は全部食べちゃうから」と平然。「若い時はよく動物を取って食べていたけれど、最近はキャットフードだけだったのよ」とちょっと意外そうでもありました。
 その後、しばらくキャビアは庭の盆栽台の下にベッタリ倒れて、「にゃあにゃあ」と悶絶していました。ネコもこんな風に倒れるんだ、というように、無防備に倒れていました。さすがのキャビアも久しぶりに野生動物を食べると毒が強過ぎるのでしょうか。夜になってもまだ倒れていたら、隣の奥さんに迎えに来てもらわなければ、と思っているうちに夕方にいなくなっていました。
 私も思いがけず残酷なシーンを見てしまったので、昨日は一日中、思い出すたびに気持ちが悪くなりました。でももしあれがうちの中を走り回っていたネズミだとしたら、キャビアには感謝状です。今ごろ毒がまわって死んでないといいんだけれどキャビア。

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